ママンの書斎から

ミドフォーママンの考えごとなど

『水中で口笛』(工藤玲音)レビュー

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今週のお題「やる気が出ない」

 

以前、くどうれいんがリフレイン」という記事を書きました。

 

www.mamannoshosai.com

 

で、そのれいんさんが、最近、歌集を出版されました。

 

 

今週のはてなさんのお題のように、最近やる気が出なくて困っていたのですが、その歌集を読んだら、やる気が出てきたので、感謝を込めてレビューしてみたいと思います。

 

f:id:mamannoshosai:20210516151510j:image

 

 

 

「れいんがリフレイン」再び

 

『うたうおばけ』というエッセイで、切れ味鋭い文章に魅了された、くどうれいんさん。

※エッセイだと「くどうれいん」さんで、歌集だと「工藤玲音」さんになるのかな?それにしても綺麗なお名前(*^-^*)。

 

 

 

そのれいんさんが、このたび歌集を出版されたと知って、

 

はΣ੧(❛□❛✿)!

 

と、急いで入手したわたくし。

 

仕事を放って一気に読み。

 

…またやられました。

 

また「リフレイン」であります。

 

啄木さんとハイタッチの歌集

 

この歌集は、26歳になる直前の玲音さんが、故郷を同じくする石川啄木さんの没年がすぐそこ、ということに気づき、の命日までに自分も歌集を出版したいと、

 

石川啄木に対する腕相撲のつもりで

 

編まれ、最終的には、

 

彼へのハイタッチのような歌集になった気がします

 

とおっしゃるものに仕上がったとのこと。

 

紐解いてみると、啄木に捧げる歌集らしく、いくつか「啄木作品へのオマージュ」のような歌がありました。

 

わたしだって空に吸われて死にたいよ

シャツ振り回しふりまわし干す

 

この歌は「…空に吸はれし十五の心」へのオマージュですかね。

 

何かに怒りながらバッサバッサと洗濯物を干しているような雰囲気に、とても親近感がわきますね〜( ̄▽ ̄)。

クサクサしながらシャツを振り回して干していること、もよくあります。

 

玲音さん啄木と同じ渋民村のご出身なので、方言の歌も、みずみずしいのです。

 

もっつもっつゆぎふってらじゃ

だどもみぢ

でらでらってでおっかねへでな

 

もっつもっつと雪が降っているよ

だけども、道はデラデラと凍っていて(歩くのに)おっかないからね(気をつけてね)。

 

というような意味でしょうか。

 

の地元のお年寄りも似たような方言を話します。

 

どうろ、デラめいでだじゃ~(=゚ω゚)ノ!

気ぃつけろじゃ~(=゚ω゚)ノ!

とかね。

 

だからはこの歌の意味が直感的にわかってしまうのですが、東北にゆかりのない方にしたら、きっと、どこで区切るかもわからない呪文ですよねσ(^_^;)。

 

呪文といえば、こんな歌も。

 

ほにほにと訛るわたしを

東京のあなたは

「かわいい呪文」と笑う

 

「ほにほに」とは、「ほんとほんと」「本当にねぇ…」というような意味なのですが、東京のご友人には「かわいい呪文」に聞こえるのですね(*´꒳`*)。

 

もかつて東京にいた時、東京生まれの友達に、

 

「え? 今のってスペイン語(゜-゜)?」

 

と言われたことがあります。

 

日本語じゃー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾!

 

啄木さんにも、「ふるさとの訛りを停車場で聞く…」という歌がありましたねぇ。

 

も、東京駅で帰省する新幹線を待っている時、同じ方面へ向かう人達は、方言でわかったものです。

 

啄木さんの短歌はもともと、3行からなる「分かち書き」で表現されますが、玲音さんのこの歌集は1首1行で書かれています。

でもこのBlogに引用するにあたっては、ページの幅の都合で、分かち書きにさせていただきました。

 

   

 

高らかに自己を宣言してみたい

 

あとがきで、玲音さんは、

 

「どうだ。わたしはいま、ここにいます。」

 

と、啄木さんへ、高らかにご自身の存在を宣言されています。

 

しびれますわね〜(*≧∀≦*)!

 

「どうだ。」

 

と、その言葉選びは「カミソリ工藤」の異名そのものの切れ味であるにもかかわらず、ひらがな表記によって、やわらかさもかわいらしさもユーモラスさも出すセンス。

憎めないお人柄がそのまま出てる気がします。

お会いしたことないけど( ̄▽ ̄)。

 

そして、玲音さんの人生は、短歌との出会いによって、

 

あかるく、奇妙におもしろく、すがすがしいものへとひらかれました。

 

ですってよ(*゚▽゚*)!

 

の人生も、そんな良きものに向かって開かれたし( `ー´)ノ。

 

も、空に向かって、

 

「どうですの! ママンはいま、ここにいますのよ〜ヽ(´▽`)/!」

 

とか、宣言してみたい。

 

言葉ってすごいなぁと、改めて思います。

 

言葉が役に立たない鮮烈な場面というのも、確かにあります。

ですが、この世の多くのことは、言葉によって切り取られ、残り、多くの人の心に刻まれるんですよね。

面倒がらず、捨て鉢にもならず、妥協せずに言葉を紡いでいきたいものです。

 

 

今、来月締め切りの仕事の正念場なのに、やる気が出なくて_(:3 」∠)_困っていたのですが、この歌集を読んで、再びれいんがリフレイン」状態になり、改めて、やっぱりちゃんと言葉(仕事)に向き合おう、と戒められたのでした。

 

ママン、これからしばらく、お仕事がんばりまっす(`_´)ゞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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