頑張って勉強しているのに成績が伸びないーそんな我が子に頭を抱えていないだろうか。
はい。私、頭を抱えています(苦笑)。
東大・京大を志望しているというわけではないのですが、表紙のこの言葉に完全に心を鷲掴みにされて、読みました、この本。
灘学習院という「思考教育」を掲げる塾を展開されている著者によって書かれた本で、一言でいうと、「詰め込み型」「暗記型」の教育を否定し、「思考教育」を推奨するという内容です。
東大や京大に入っていく人に共通しているのは、「考える力」「考え続ける力」があるということなのだそうです。
ユダヤ人にノーベル賞受賞者が多いのも 、安息日に家庭で行う教育が、考える訓練になっているとのこと。
思考教育は家庭でできる
そのために必要なことは、親が意識を変えることです
と、著者は言っています。
親に難問を解く力が必要なのではなく、子どもが考えることに行き詰まったときに、考えることの大切さを説き、励ますことだと。
そして、
「これはどういう意味?」
「この数字は、何のこと?」
と、子どもに説明を求めることが、子どもが頭を動かす力になるのだそうです。
問題を最低20~30分くらいは考え続けることが大事で、実際に解けたかどうかは、さほど問題ではない、とのこと(考えることで頭を柔らかくすることが目的なので)です。
集中が切れないように、親がそばについていてあげることが必要だそうです。
どれだけ時間がかかったとしても、子どもの考える力は、間違いなく養われている。親の信念が子どもを伸ばすのです。
確かに、受験のための勉強や、定期テストのための勉強は、暗記することが多く、「考える」ということにまとまった時間を取れないことが多いですよね。
今、うちの子たちは受験前、テスト前で、1問を30分考えている時間はないです(苦笑)。
でも、考えないでただ詰め込む勉強は、著者の言葉を借りて言えば、「子どもを潰す」ということは肝に銘じておこうと思いました。
詰め込んで詰め込んでトップ校や名門と呼ばれる学校に入っても、「考える力」が養われていなければ、いつかついていけなくなる、と言われると、教育の本質を見失ってはならないな、という気持ちになります。
昨日、娘がテスト勉強をしていて、何か怒っていて、今にも泣き出しそうな顔をしていたので声をかけると、
「期末対策用に、学習係が作ったプリントをやってるんだけど、全然答えが合わない。どうして間違っているのか、いくら考えてもわからない。」
と、涙目で訴えてきました。
感情をあまり出さない娘がこんな風に訴えるのはよっぽどだと思い、その数学の問題を一緒に解いてみました。
すると……やっぱり答えが合わない……。
私の脳みそもかなり錆びついているので(苦笑)、娘と同じポイントで何か躓いているのかと思って、息子にも聞いてみました。
すると、息子が解いてもやっぱり合わない。
娘、私、息子の答えは同じ。
……これは……解答が間違っているのでは……?
と3人で顔を見合わせ、誰が作った問題か確認すると、娘が言うには、あまり数学が得意ではなさそうな生徒が、学習係だからという理由だけで先生に作らされた予想問題だった、ということが判明。確かに、他の問題も、答えがやたらと妙な分数になったりしていて(苦笑)、スッキリとした整数の答えになるような数字を、問題に持ってこれなかったのかな、という印象を受けました。
その子は一生懸命作ったのでしょう。でも、答えが間違っていて、それに学年全体で取り組んだら、みんな大混乱ですよね(苦笑)。
学習係のお仕事として、また、作題によって理解を深めて欲しいという狙いであろうことも理解できますが、先生方、印刷して学年全体に配る前に、解答が合っているか、適正な問題か、チェックしてくれないと困りますよー!問題を作った子だって、間違ってたと周りから責められたリしたら可哀想ですしね……。
実はこういうことは、息子の学年でも、1年生の時から定期テストのたびに起こっているのです。
でも、3年生も後半に入った今でも、まったく改善されていません(今回の学習係作の予想問題プリントでも間違いを発見)。
間違いに気づける子はいいですが、その予想問題を鵜呑みにして、間違ったまま覚えてしまう子も一定数いると思います。それなのに、どうして毎回毎回チェックされていない予想問題が配布されるのか、本当に理解できません。これでは、公立中学校の学力アップは見込めないよなあ、と思ってしまいます。
まあ、娘にとっては、
「おかしい、どうやってもこの答えにならない……。」
と悩み、自分の考え方や解法を疑ってもう一度正しい考え方をつきつめたことは、「考える力」になったのかなあ(苦笑)。30分は考えて泣きそうになっていましたからね(笑)。
正直、テスト前は時間がいくらあっても足りなくて、1問に30分以上かけるような勉強はしていられませんが、昨日の娘のエピソードも含め、時間が取れるときは、じっくり考えさせるということをした方がいいのだろうな、と感じた本でした。