受験シーズンということで、『下剋上受験』に続いて、受験本?の感想文です。
テレビに出演されていたこともあるので、ご存知の方も多いかとは思いますが、「奈良の合格ゴッドマザー」と言われる、佐藤亮子さん。このお母さんが、息子さん3人をすべて東大の理Ⅲに合格させた、その秘訣のようなものをまとめられているのが、『「灘→東大理Ⅲ」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』です。
灘中学校の中学受験と、東大の大学受験について、ご自身がどのように子どもたちに関わってきたかが書かれてあります。
私は自分の子どもを灘や東大に入れようと考えているわけではありませんが(笑)、この黄色い本が本屋さんでとても目立っていて、思わず手に取り、少し立ち読みしてみたら、
自分の読書は家事よりも優先させる
とあったので、「そんなことを推奨してくれる本があるのか!」と、嬉しくなって買って帰ったのであります(笑)。
お母さんは、忙しい仕事です。洗濯や掃除をしても1日で元通りになってしまうし、子どもたちのことをしていたら1日があっという間に終わってしまう。そうすると、「私の1日は何だったんだろう」とむなしくなってしまうこともあります。
というところを読んだときには、「まさしくそのとおり!」と膝を打ちました。「奈良の合格ゴッドマザーと呼ばれるほどのスーパーママンでも、むなしくなっちゃうことがあるのかあ……」と、ちょっとホッとしました。そして、「自分が空っぽになってしまいそうなときは、いや、そうなる前に、家事を放って本を読んでもいいんだ!」と、嬉しくなっちゃいました(笑)。
でもこのお母さん、やっぱり、すごいんです。何がすごいかって、子どもさんたちの勉強に関しての関わり方が濃密!
お手伝いはさせなくていい
とか、
散らかすのは子ども、片付けはお母さん
などという意見には賛否両論あったようですし、私も、本に書かれているすべてのことに賛成というわけではありませんが、この「子どもたちへの関わり方の覚悟」には、尊敬するところがあると思います。
18歳まで子どもの勉強や進路に関わり続ける
という項目に、
高校生になってまで親がいろいろしてあげるなんてありえない、と思われる方もいらっしゃると思いますが、でも、私は18歳まではぜったいに手を離さず、責任を持って育てようと決めていました。
とあります。
過去問の採点をしてあげたり、コピーをとってあげたり、とにかく勉強のサポートがすごいんです。「親がすべての教科を理解できなくても、できるサポートは無数にある」というスタンスのもと、細々やってあげています。これを過保護という方もいるでしょうが、「子どもに任せている」「自立を促している」という大義名分のもとに「単なるほったらかし」になるより、ずっといいのではないかと思います。
自転車の補助輪を外すとき、突然外してひとりで乗せて、
「さあ、やってみなさい」
と「子どもに任せる」ことは、あまりないですよね。最初は後ろを支えて一緒に走ってやり、だんだんと、子どもが気づかないように手を離す。勉強のやり方も、それがいいのではないかなと思います。
子ども自身に自分で経験させることももちろん大事なのですが、「学び方を学ぶ」という段階を経て、「自分でできる」という段階にたどり着くということもあると思います。
「学び方を学ぶ」段階では、適切な大人の介入も大事ではないかなと。
これは、灘や東大に入るために限ったことではなく、子どもが基本的な生活習慣を身に付けたり、忘れ物をしないようになったり、自分で予習復習できるようになったりするまでには、横で伴走してやる大人がいた方がいいのではないかなあと思うのです。
まあ、そうは言っても、私などは、いつまでたっても教科書を上下逆にしまったり、プリントがクチャクチャに丸まっていたりする我が子に、もはやさじを投げたくてたまりません(苦笑)。勉強の分野だけでも、みっちりと子どもに向き合うというのは疲れるものです。
その点、佐藤亮子さんというお母さんは、勉強(受験)という部分で、みっちりと子どもに向き合いました(しかも18歳まで)。
素直に「すごいなあ…」と尊敬します。
コピーを取ってやるか、マルつけをしてやるか、お手伝いはさせるのかさせないのか、片付けはさせるのかさせないのか…そういうことは枝葉にすぎないと思います。そこは、それぞれのママンの考え方でやればいいところ。
奈良の合格ゴッドマザーに見習うべきは、「放任」と「ほったらかし」をごっちゃにせず、「付き合うべきところではきっちり付き合いきる」という姿勢だと思います。手抜きをせずにやりきったところに、覚悟を感じます。
ゴッドマザーの書籍は、他にも出ていますので、ご紹介しておきます。
受験だけでこんなに出版できるとは……すごいママンさんですね。
……ということで、私も、家事より自分の読書を優先させつつ(笑)、子どもたちに向き合っていきたいと思います。