『海と真珠』という、バレエ女子の成長物語があります。
著者の梅田みかさんは、脚本やエッセイを書く方という認識だったので、小説を書いていらしたということに、ちょっと驚きました。
しかも、バレエもので、少女もの。
迷わず買って、読んでみました。
あらすじ
一ノ瀬舞と戸田理佳子、2人の少女が主人公です。2人は、性格も環境もまるで正反対です。舞は、バレエの技術はそこまで高くないけれども、とにかくバレエが好きで、表現が得意で、友達にも好かれるタイプ。一方、理佳子は、バレエの技術はとても高いけれど、自分の心を開くことが出来ず、孤立しがちで、感情表現が苦手で、友達も居ないタイプ。
そんな2人が、「海と真珠」という、バレエの演目(デュエット)を踊るパートナーに指名されます。
性格もバレエのタイプも全く異なる2人ですから、もちろん最初は全く合わせられないのですが、レッスンを通して、だんだんと互いに心を開き、踊りも「おそろいの真珠」に見えるようになっていきます。
よくある青春の成長物語と言ってしまえばそれまでなのですが、少女たちだけの物語ではなく、私は2人の少女の母親たちの姿にも興味をひかれました。
娘の感想
我が家では、娘がバレエを習っているので、娘にも読ませてみました。
うちの娘は、小さい頃は「豪傑!」という感じだったのに(^_^;)、大きくなるにつれてなぜかおとなしくなり、あまり自分の気持ちを前に出さない子になってきました。
でも、私は、小さい頃の彼女の豪傑な部分は、今は前に出ていないけれども無くなったわけではなくて、一時的に奥の方にしまわれているだけじゃないかな、と感じています。
何かのきっかけでまた豪傑が顔を出すのではないかと思っているのですが(笑)、今の彼女は、理佳子の、気持ちを表に出せないところに自分を重ねて読んでいたようです。
そして、理佳子が、舞の表現力に触発されて、だんだんと自分を解放してゆくところに引き付けられていたように思えました。
自由にのびのびと自分を表現できる舞に対する憧れもあるのかな、と思います。
私の感想
私は、母親の立場で読んでいるせいか、舞と利佳子のお母さんが、それぞれ違う環境にあっても、娘のバレエを一生懸命応援しているという共通項で心がつながるところが、とてもいいな、と感じました。
娘にバレエを習わせているママンさんたちのなかには、発表会の役をめぐって敵対関係になったりして大変だという話も聞こえてきます。
でも、舞と理佳子のお母さんは、それまで接点など全くなかったにも関わらず、娘のバレエを通して絆を育んでいくのです。
「ママンの世界も、そう悪くないな」
と思わせてくれる読後感で良かった(;´∀`)!
バレエの習っている母娘さんたちはもちろん、女の子をお持ちのお母さんたちにも、ぜひ読んでもらいたいと思う1冊です。
女の子を育てる醍醐味や、母親同士のつきあい方など、共感を持って読んでもらえると思います(*^-^*)!
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