阪神淡路大震災から22年経ちました。
あの日、私はまだ学生で、朝起きてテレビをつけたら、信じられない光景が目に飛び込んできた、という記憶があります。
被災された方々は、今日をどのような気持ちで迎えていることだろうと、思いを馳せております。
その後、私自身は東日本大震災を経験することになりました。
あの日は、子どもたちが帰宅したすぐ後で地震があったのですが、大きな地鳴りの音が怖くて、揺れが止まるどころかどんどん大きくなっていくので、中にいたら危ないと思い、子どもたちと一緒に外に飛び出して逃げました。外から自分の家を見上げると、家全体がねじれるように大きく揺れていて、
「家が壊れる‼」
と思ったのを覚えています。
雪が降ってきて寒くて、いつまでも外には居られないし、でも家のなかはメチャクチャで、大きな余震が絶え間なく来ている状態でだったので、家のなかに戻るのも危険でした。寒さと怖さでブルブル震えながら、子どもたちと、夫の帰りを車の中で待ちました。
携帯電話で連絡が取れたときのホッとした感覚、今でも覚えています。停電していたのですが、携帯電話のワンセグでテレビを見ることが出来たので、今とんでもないことが起こっているのだという状況を知ることができました。
それから電気が復活するまで3日かかったのですが、その間、車で携帯を充電しては情報を得るという生活をしていて、携帯は災害時には役に立つものだなと思いました。
今はスマートフォンになりましたが、便利さだけではなく、防災、防犯の意味でも、いつか子どもにも持たせざるを得ないのかなと思っています。
しかしながら、うちの子ども達にはまだスマートフォンを持たせていません。今持たせることは、メリットよりもデメリットのほうが上回ることになると思うからです。
子どものIT被害が全国的に増えていて、ここ数年、学校のPTA行事などでも、
「子どもにスマートフォンを持たせる時の親の留意点」
「情報モラル教育の必要性」
などの勉強会が盛んに企画されています。
私も何度か参加したことがありますが、実際に身近なところで起こったトラブルの例などを見聞きすると、怖くて、便利なのはわかっているけれども、自分の子に持たせるのはできるだけ先延ばししようと思ってしまいます。
友達とトラブルになったり、あるいはもっと大きな、将来をダメにしかねないほど深刻なトラブルに巻き込まれたり……
スマートフォンは、諸刃の剣です。情報モラルが身についていない状態で持つには危険すぎます。
でも、この世の中で、ずっと持たないで避け続けることも不可能でしょう。どこかで、失敗を繰り返しながら(できるだけ小さく)、上手なつきあい方を身に付けていくしかないのですよね。
そのときをいつにするか。
子どもたちの周りでは、もうすでに持っている子はたくさん居ますし、もちろん本人達も興味を持ってはいます。でも、今すぐというのは、成績低下、トラブルの危険性など、とてもリスキーだと思うのです。ネット上のことについては、大人でも、ヒヤッとした経験をするものです。子どもに関しては、よっぽど分別がついてから持つべきだと私は思っています。そして、その持たせる時までの間に、親の私が、ネットやスマホについてもっと知識を深め、ルールを熟考しておく必要があると思います(なかなか追い付きませんが)。
アメリカのマサチューセッツ州の、あるブロガーお母さん(Janel Burley Hofmanさん)が、13歳の息子さんにiPhoneを持たせたときに示した「18の約束」が素晴らしい、と、話題になっています。
お子さんとのiPhoneの使用に関する約束ごとが18項目あるのですが、私も自分の子に持たせる時の参考にしようと思う項目をいくつかご紹介します。
2.パスワードはかならず私に報告すること。
4.学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30pmまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話できないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。
7.このテクノロジーを使って嘘をついたり、人を馬鹿にしたりしないこと。人を傷つけるような会話に参加しないこと。人のためになるようなことを第一に考え、喧嘩に参加しないこと。
8.人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSMSやメールでしないこと。
11.公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話すときはそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です。iPhoneがそれを変えてはいけません。
( 翻訳は、打村明さんによるものです)。
他の項目も、どれもとても大事なのですが、すべての言いたいことは、上にあげた項目のような、
「パスワードや使用時間の管理」
「情報モラル(リアルな人間関係と同じように、人を傷つけない、面と向かってできないことをしない)」
「公共の場での使用マナー」
という点に集約されているのではないかと思います。
なんて聡明なママンさんなのでしょう。このように導かれた息子さんは、IT問題で大きく道を踏み外すことはないでしょう。
災害時なども適切に役立てて使えるはずです。
現代のテクノロジーは素晴らしいですが、危険も背中合わせであるため、扱う人間のモラルが問われていることになります。
情報を賢く扱い、踊らされることのない大人になってほしいので、親も一緒に勉強していかなければならない。
震災の記憶から、そんなことを考えていた1日でした。