ずっと心に引っかかっていながら、怖くて直視できないでいるものに、子どもの教育資金のことがあります。
自分なりに一生懸命やってみてはいるけれど、とても十分に貯まっているいるとは言えない我が家の教育費。
振り返ってみると、下の子が幼稚園に入ってから、自分の時間が取り戻せたような気がして嬉しくて、毎日のようにモールに通っていた時期がありました。
抱っこやおんぶや走り回ることを条件に、通販でたまに買うのが精一杯だった自分の洋服。子どもが幼稚園に行くようになり、
「自分の好きな服をちゃんと試着して買える!」
と、浮かれて服ばかり買っていた時期があります。
幼稚園から小学校低学年時代までは、ママ友さんたちとのランチなどに結構出費していました。
自分も仕事を始めて、わずかながら収入もあったので、気が大きくなっていたのでしょう。
今思うと悔やまれます。あの時期に浪費したお金が貯金に回っていたら……と思うと子どもに申し訳なくて泣けてきます。
でも、あの頃の自分は、育児のストレスに押し潰されそうなところを、買い物でバランスを取っていたのかもしれないとも思います。
子どもが中学受験するかどうか考え始めたころに、やっと教育費問題が自分の中で現実味を帯び、学資保険などの支払いも苦しくなってきて、保険を見直したりして固定費の削減を図りましたが、歯列矯正など予定外の出費も増えてきて、なかなか思うように貯まりません。
考え出すと夜も眠れなくなるので、現実的な対策を勉強しないとダメだなと思い、
『月収20万でも子どもを大学に入れる!進学マネー塾』という本を買いました。
……でも、現実を直視するのが怖くて、数か月積んだままでした(苦笑)。
でも、ついに今日、やっとのことで読んでみました。
この本の著者・首藤寛之さんは、ご自身が宮城県出身で、母子家庭月収12万円という状況から私立大学の経済学部を卒業され、現在はファイナンシャルプランナーをされているそうです。
そんな首藤さんが提案する進学マネー術とは、
①奨学金……家計基準や学力基準があるからと最初からあきらめず、大学独自のものや、地方公共団体のもの、民間独自のものなど、さまざま調べてみることが大事だそうです。「給付型」と「貸与型」、「免除・減免型」があります。
ポイントは、「予約採用」(高校3年時に進学後の奨学金を申し込んでおくこと)を申し込むこと。「予約採用」で奨学金の利用が決まれば、進学後のお金の工面がスムーズですし、家計でやりくりできる見通しが立てば取り消すこともできます。このことは知らなかったので、収穫でした。
「教育ローン」というものも、奨学金のカテゴリーで考えられていました。
奨学金と違うのは親が借りて親が返済するというところで、進学前に申し込めば、入学金など含めた初年度の大金に対応することができます。返済期間は借りた翌月から始まりますが、在学中は金利分のみの返済で、卒業後に元金返済が始まるというものもあるようです。国の教育ローンのほかにも、ろうきんやJA、銀行のものなどもあるそうです。
もう一つ、奨学金カテゴリーに含まれていたのが、「祖父母の援助」です(笑)。
もちろん祖父母に余裕があればの話ですが、「出してもらう」のではなく「借りる」ものとして、きちんと返済する、という考え方でした。
②家族会議……子どもに進学動機をきちんとプレゼンさせ、かかるお金、出せるお金、足りないお金、どうやって捻出するかを親子・祖父母でよく話し合うことだそうです。
家族みんなでお金の共通認識を持たなければならない、ということでしょうか。
「大学までの費用を全額負担してやるのが親の務め」「子どもにお金の心配をさせてはならない」「お金の話題はタブー」と思い込んでいた私にとって、「子どもと一緒に考えていい」とわかって、少しホッとしました。長引く不況で、保護者だけで大学費用を全額負担するのは難しい時代になってきたと書いてありました。そして、「大学の4年間を通じて300万円を子どものために捻出できればいい」とあって、それならば、貯金といろいろな貸付を利用する方法でなんとかなるかもしれない、と一縷の希望がわいてきました。
自宅から通えない遠くの大学へ進学する場合は生活費もかかってきますが、その場合は、大学の寮や格安で住める物件、ルームシェアなど、子ども自身にもいろいろ考えてもらうことは、金銭教育という観点から、子どもにとってもいいことなのかもしれませんね。
③家計の埋蔵金……これは、固定費を定期的に見直しましょうということのようです。
「教育資金燃え尽き症候群」という症状があるのだそうです。
子どもの学費をやっとの思いで工面し、卒業させたら、貯金は使い果たし、保険は解約し、老後の自分達は年金暮らしでゆとりのない生活……。
そんな親を見たら子どもも悲しむ。だから、親子が元気に笑顔で暮らせるよう、奨学金なども上手に利用しながら学費を工面しましょう、ということでした。子どもに親の老後を心配させるのも心苦しいので、子どものためにも親の暮らしも守れるよう、賢く工面しないといけないと思いました。
いろいろと直視するのが怖い領域でしたが、この首藤さんのお母さん、女手一つで子どもを私立大学に入れて卒業させるなんて、すごいママンですよね。
何がなんでも子どもの夢を応援する!という強い気持ちがあれば、なんとか道は見いだせるのではないかと、勇気をもらいました。
いつまでも目を背けてばかりもいられません。まずは、さまざまな制度を勉強することからだな、と痛感しました。奨学金の予約採用や教育ローンを申し込む場合は、高3の段階で動かなければならないのだとわかっただけでも、怖さをおして読んだかいがありました。もっと早く読めば良かったです(苦笑)。
次なるステップは、貯金の努力を続けつつ、さまざまな奨学金や教育ローンについて、もっと詳しく調べてみることですね。
頑張らねば‼