今日は、1つ前の記事でも少し触れた、船登惟希さんの『行きたい高校に行くための勉強法がわかる 中学一冊目の参考書』のレビュー記事です。
1つ前の記事 ↓ 。
何はなくとも定期テスト対策
この本は、菅原くんという公立中学に通う男の子が、定期テストに不安を感じ、学問の神様がいるという神保町の隠岐天満宮へ向かいます。そして、そこで謎の男に出会い……というストーリー仕立てになっています。『高校一冊目の参考書』の方に出てきた登場人物も、ちょこちょこ、出てきますよ。
『高校一冊目の参考書』と比べると、紹介されている参考書の数は少ないと感じました。
教科書準拠問題集『教科書トレーニング』と、『まんが攻略BON!』シリーズ、『出るナビ』シリーズ、過去問の問題集、くらいしか出てきません。
参考書や問題集の紹介というよりは、
「定期テスト対策の重要性を説く」
という内容になっています。
・成績を伸ばす勘所を知った上で勉強すること
・定期テスト対策がそのまま高校受験対策にもなっているということ
・まずは自分で勉強できるようになる必要があるということ
そんなことが書かれてあります。
小学校までの、特にそのための勉強をしなくても点数が取れる「単元テスト」から、対策をしないと点数が取れなくなってくる中学校の「定期テスト」へ、勉強方法をうまくシフトできないと、点数が取れず、そのまま勉強が苦手になってしまう。
この本には、その「定期テスト」で点数が取れるようになるための心構えや、勉強の仕方が書いてあります。
やはり、中学生にとっては、何はなくともまず「定期テスト」なのですね。
特に、公立高校の受験を考える中学生にとっては、定期テストで結果を残せるように努力することは、内申対策でもあり、学力試験本番対策でもあるのですから、当然ですね。
自分で勉強できるようにする
私が最も膝を打ったのは、
塾に行って得られるものは、実は自分で勉強する時間であることは知っておくんだな。競争仲間、自習室、勉強しかできない環境……どれも自分で勉強する時間を増やすためにある。
中学生で勉強が嫌いになっちゃうと、高校で勉強しなくなる可能性が高まる。だけど、社会に出て重視されるのは出身高校じゃなくて出身大学なのよ……これが現実。だから、中学生の時点で勉強が嫌いにならないよう、自分で自分の勉強をコントロールできるようにならないといけないの。
という部分です。
なるほど(−_−;)。
我が家も、息子が高校受験をするにあたり、なんだか塾に行かなければならないような気がして、でも正直、そんな余裕は経済的にも時間的にも体力的にも無くて、焦りを感じていました。
そして、
「塾に行きさえすれば成績が伸びるというものでもないのではないか?」
とも感じていました。
いつまでたっても思考は堂々巡りとなり、答えが出せず……という繰り返しの中、何カ月も悩みました。。
でもやはり、仮に塾に行くとしても、それは結局、
「勉強するための環境を求めて行く」
ということなんですよね。それが家でできるなら、塾は必要ないということになります。
結局、うちの息子の場合は、1人目ということもあって、情報がないことも不安だったので、塾が持っている豊富な情報や、競争仲間ができることによってモチベーションが上がることを狙って、行ってみることにしました。
娘の高校受験はこれからですが、娘は塾無しで行ってみようか、と、今のところは考えています。
やる気はあとからついてくる
そもそもやる気っていうのは、やった後についてくるもんなんだよ
とにかくまずは、やりはじめることなのですね。
乗ってくればやる気が出る。
できるようになればやる気が出る。
「やる気が出てから勉強する」ではないのですね。
まず、やる。
これは受験生には特に必要な考え方でしょう。
私も耳が痛いわ~"(-""-)"。
仕事や家事のやる気が出ないとき、まずはとりかかってみないとね(^_^;)。
部活はコントロール力をもたらす?
それから、こんなことも書いてありました。
部活をすると勉強で息切れしない
これは、部活に入らないという選択肢を与えられていないうちの子たちにしてみると、勇気が出る言葉です。
中学校から勉強オンリーの生活をしていると、大学受験までに息切れ
部活をしながら勉強することは、「勘所」を押さえて効率的に勉強する訓練にもなる
と書いてあります。
うーん……。
だからといって、部活に時間を取られすぎるのも、現実問題として、しんどいですけどね。
あくまで持続可能なペースであれば、という条件付きになると思いますが、部活をやっていると、時間の使い方がうまくなり、集中力もつくかもしれませんね。やりたくない事もうまく折り合いをつけてやり抜く力とか……。
息子が高校生になって、中学の時よりさらに時間がなくなり、学習範囲も膨大になった今、必要なのは「自分で自分の勉強の質や時間をコントロールする力」だと感じています。この力は、もちろん受験に必須ですし、「勉強」を「仕事」や「家事」に置き換えれば、大人にも必要な力だと思います。
親にしてやれることの限界
結局、親にしてやれることは、モチベーションをキープする方向へ導くことや、体調管理、くらいですよね。
「本人が自分で勉強する」という核があって、親はその周辺をサポートするだけ。
言っても聞かないようになってきますし、
「今の計画は、うまく行ってる~?」
などと、振り返りを促す声掛けくらいしか、できなくなってくると思います。
高校生の勉強は、私にはもはや手が出せない(難しくて理解不能、特に理数系)し、部活や習い事についても、うちの子どもたちの部活や習い事は、私には経験がないものなので、技術の向上などの面で役にたってやれることは、ありません。
歯がゆい思いもありますが、親の助けのない世界で、自分の力で、試行錯誤や努力を重ねて少しずつでも進歩していく子どもたちを見ると、頼もしいと感じることもあります。
高校受験も大学受験も、私の時代とはいろんなことが変わってきています。
でも、子どもたちには、これからの部活や習い事でやってきたように、自分で自分の勉強をコントロールすることに挑戦しながら、受験も乗り越えていってほしいなと思います。
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