「ママンの書斎から」というタイトルのブログでありながら、最近ほんとに読書の時間が取れず、まったくと言っていいほどレビュー記事を書けずににいましたが、今日は、やっと書けそうです。
『雲を紡ぐ』(伊吹有喜)
今回ご紹介するのは、『雲を紡ぐ』という小説です。
ざっくり言うと、自分の気持ちを周囲に上手に伝えることが苦手で、両親ともうまくいかず、学校へ行くことも難しくなった高校生の美緒が、岩手の祖父の家に身を寄せ、そこで祖父が営む「ホームスパン」という羊毛で織物を作る工房で見習い修行をする、というお話です。
↓「ホームスパン」について、詳しくはこちらをどうぞ。
オンラインショップもあるようです。
私も最近マスク作りで心が落ち着いたりするのですが、子ども達が幼稚園に入ったころは、刺繍にとても興味がありました。
糸つむぎは経験がありませんが、機織りは、子ども達と一緒に体験してみたことがあります。
やはり、楽しくて時を忘れ、癒しを感じました。
「糸」とか「縫う」とか「織る」とか「編む」とか「紡ぐ」とか…。
そういうものには、何か人を癒す力があるのかな、と思います。
美緒も、美緒を取り巻く周りの人間も、みんな何らかの傷を抱えて生きていますが、糸を紡ぐ暮らしを通してだんだんと再生していき、壊れていた家族の絆をも、取り戻していくんですよね。
ホームスパンは羊毛の織物製品なので、夏に向かう今は、オフシーズンなのかと思いきや、とっても着心地のいいTーシャツなんかもあるんですよね。
↓ 7分袖。
↓ 半袖。
↓ 長袖。
↓ フレンチスリーブ。
↓ コットンのコート。
↓ リネンのソックスも充実。
もちろん、羊毛製品も素敵です。
↓ マフラー。
↓ マフラー。
↓ がま口などの小物もあります。
「 再生」の物語いろいろ
傷ついた少女が、田舎の祖父母の家に身を寄せて、自然の中で暮らすうちに癒されて再生していく物語は、他にもいろいろありますね。
私が読んだところでは…。
『ハッピーバースデー』(青木和雄/吉富多美)
少女と母親の関係がうまくいかないのは、母親もまた祖父母との間に確執があるからで、少女への対応を通して、母親と祖父母の関係も新しいものに…。
他には…これもそうですね。
『西の魔女が死んだ』(梨木香歩)
糸を染め、機を織ることに焦点を当てて人生を考える作品としては、これもおススメです。
『からくりからくさ』(梨木香歩)
最近読んだ本は『雲を紡ぐ』だけですが、連なるようにして出てきた過去に読んだ作品達も、似たようなテーマのものがたくさんありました。
「再生」は、吉本ばななさんにしても他の作家さんにしても、ずっと私の中にあるテーマです。
でも、「糸」や「紡ぐ」ことについても、もしかしたら私はずっと昔から関心があったのかな?ということは、自分の中でも新しい発見でした。
読んできた傾向を振り返ると、自分がわかる。
あぁ、これだから読書ってやめられない。
「本を読む」も、「糸を紡ぐ」も(もしかしたら「人生を織りあげる」も)、静かで深い、しみじみとした面白さですね。
高校生のいる暮らし
本と共にある暮らし