前回の記事で『プリンセスお母さん2』のレビューを書き、私もプリンセスお母さんのサブネーム「カトリーヌ・ママ子」のように、素敵なサブネームを考えなくては!と書いたところ、
ひめぐまさんから
Sさんからは
という案をいただきました。
ジャンヌとかオスカルは、プリンセス感も戦士感も感じられます。
ジャンヌ・ド・ママン…カッコいいかも( *´艸`)!
パイナパーヌも面白いけど、パイナパー言ったのは庭師だしなぁ…( ̄▽ ̄;)…。
それを庭師に言ってみたところ、
「オレ、パイナパー公爵って呼ばれてみたい(*゚▽゚*)!」
((((;゚Д゚)))))))
あなた、気は確かなの!?
まさかの貴族願望…_(:3 」∠)_…マジか…。
パイナパーヌ公爵夫人、ジャンヌ・ド・ママン
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なんというか…
カオスじゃありませんこと(^▽^;)?
でも、ひめぐまさん、Sさん、素敵なサブネームの案を、ありがとうございましたヽ(´▽`)/。
『思いはいのり 言葉はつばさ』
ここ数日は、8月締め切りの仕事をようやくあげたので、束の間の休息期間ということで、以前から読みたくて積ん読していた本を何冊か読めました。
今日は、そのレビュー記事にしたいと思います。
タイトルと装丁の可愛らしさに惹かれて手に取ったこの本。
『思いはいのり 言葉はつばさ』(まはら三桃)
中国の女の子が主人公の小説です。
纒足(てんそく)という風習や、昔の女性の結婚生活の大変さなどが背景として描かれていて、その部分は本当に気の毒になってしまいます。
〈纏足(てんそく)とは〉
幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにするという、かつて中国で女性に対して行われていた風習をいう。
( Wikipediaより)
でも、この物語のメインはそこではなく、女性だけの文字「女書(ニュウシュ)」を習い始めた主人公チャオミンの、書くことを通した成長物語。
書くことで、自分と向き合う術(すべ)を覚えていくのです。
文字や言葉の使い方
当時の女性達は、数人で集まっては、お裁縫や刺繍、女書(ニュウシュ)などを勉強したり教え合ったりする、サロンのような場を持っていました。
物語は、チャオミンが待ち望んだ、サロンに通い始めるところから始まります。
ちょっと脱線しますが、欧米でも、女性達が、お菓子やお茶を楽しみながら、キルトを縫ったり刺繍をしたりレースを編んだりする集まりがあったようですね。
大学時代の妙齢の文学部教授が、文学サロンという言葉を使って講義されるとき、
サロンってなんぞや…私もそのサロンとやらに参加してみたい…(*゚▽゚*)…!
とワクワクしたものですが、よく考えたら、私の祖母や母も、何人かで集まって編み物をしたりパッチワークをしたりしていたんですよね…あれもサロンっちゃサロンか?
女性には、国や時代を超えて、そういう集まりの中で、女性として生活に必要な技術や、心の持ちようを継承していく文化があったのかなと思います。
女書(ニュウシュ)の文字は、主に、女性同士の手紙のやり取りに用いられます。
女性が結婚する時に、姉妹の契りを交わした親しい女性から、新婦になる女性に宛てて、幸せを祈る手紙を書くのです。
また、チャオミンのお母さんは、結婚当時の辛い気持ちを女書(ニュウシュ)で書き綴って、心の傷を癒したものだと、チャオミンに教えてくれます。
文字を覚えれば、文字があなたの心を自由にしてくれると。
チャオミンは、女書(ニュウシュ)を覚えて手紙を書くたびに、自分の思いを的確な言葉で捕まえることの難しさを経験しながら、上達していきます。
ある時、チャオミンと姉妹の契りを交わした親しいお姉さんが、結婚で村を離れることになりました。
チャオミンは、優しく女書(ニュウシュ)を教えてくれた大好きなお姉さんに、習いたての女書(ニュウシュ)で、幸せを祈る手紙を書きます。
チャオミンのお母さんも、そのお姉さんに、あたたかい励ましの手紙を女書(ニュウシュ)で書きます。
辛い時は、書きましょう。
苦しい時は、歌いましょう。
言葉や文字は、人を励ましたり、苦しみを共有したり、幸せを願うために使うものだなと、改めて感じた一節です。
高価なものの使い道
チャオミンのお父さんは、危険な山に入って、薬草を取ってきては売る生活をしているのですが、苦労して手に入れて保管していたとても高価な薬草を、娘のチャオミンとその友達を救うために、いとも簡単に差し出してしまいます。
「ごめんなさい。私のために」
というチャオミンに、お父さんはこう言います。
「いいのさ。高価なものはそういうときのために使うんだ。いいかい、よく覚えておきなさい。生活をするために必要な分以外のお金は、贅沢のために使うのではない。人の命を救うときに使うんだ」
(太字・赤字は、私ママンによるものです)
すーてーきー( *´艸`)。
こういうお父さんって、すーてーきー。
困難の乗り越え方
チャオミンのお父さんもお母さんも、娘のチャオミンはもちろんのこと、娘が大事に思っている友人達のことも、愛情をかけて救うんですよね。
もちろんそこには「私が救ってあげました」などという押し付けがましさはありません。
自然と体が動いてしまった、という感じで、人を助けるのです。
言葉とかお金とか…自分が持っている生きていく上で大事なものを、どんなときに、どんなふうに、使うのか。
そういうことを、チャオミンが、周りの人達から明るく素直に吸収していく、可愛らしい物語です。
纏足や、昔の結婚における女性の試練など、重たい側面もあるのですが、チャオミンのキャラクターが明るく素直なので、暗くならずに読み切ることができました。
周りをドンヨリーヌにさせない力が、チャオミンには感じられます。
明るく乗り切っていく力、素直に吸収していく力…そういうものの大切さも、改めて感じました。
困難に直面したときの乗り越え方は人それぞれですが、明るく素直に身近な人から学んだり自分と向き合ったりして、言葉やお金は、できるだけ人を助けるために使う。
そんな生き方ができたらいいなと憧れます。
まはら三桃さんの作品は、読後感の良さが好きです。
中高生向けの小説が多いですが、この『思いはいのり 言葉はつばさ』は、小学校高学年からでも読めると思います。
ご興味がおありの方は、ぜひ(*^_^*)。
高校生のいる暮らし
本と共にある暮らし