※この記事は、2018.9.18の記事をリライトしたものです。
前々から興味があって手に入れていた、ボーク重子さんの『世界最高の子育て』を、一気に読みました。
「全米最優秀女子高生」の母とは
テレビでも紹介されていましたので、ご存知の方も多いと思いますが、ボーク重子さんとは、「全米最優秀女子高生」に輝いた、スカイ・ボークさんを育てたお母様。
日本の福島県出身で、ワシントンDCで現代アート専門ギャラリーをオープンされ、成功し、また現在はライフコーチという職業もお持ちの、スーパーママンさんです。
最初にテレビでスカイさんを見たとき、なんてキラキラしたお嬢さんなんだろう、と興味が湧きました。
バレエを長く続けていらっしゃるということも興味をそそられた要因の1つではありましたが、それ以上に、輝く笑顔に、ハキハキとして明快なスピーチ。
目を離せなくなるお嬢さんでした。
幼い頃のスカイさんのイメージ…( ̄▽ ̄)…。
世の中には、どえらい才能に恵まれた若者がいるものね〜。
親御さんはどんな方なのかしら〜(*゚▽゚*)。
私は我が子を「全米最優秀~」にしたいわけではありませんが(^_^;)、
これだけ輝く人の親御さんは、いったいどんな方なのだろう?
そんな興味で、読んでみました。
「介入」と「干渉」の違い
私がこの本の中で最も印象的だったのは、
インターベンション(介入)という言葉です。
ボーク重子さんの子育ては、子どもの育ちには、親の適切な介入が必要だというスタンスです。
子どもが何歳になるまで、というようなことには触れていませんが、この場合の「介入」とは、「干渉」とは違い、「子どもが興味関心のある分野に安心して挑戦できるための足場を作ってやる」というような意味のようです。
一方、「干渉」の意味で用いられていた言葉は、「ヘリコプターペアレンツ」。
いつでも子供の頭上をブンブン飛び回り、子供の人生に過剰に関わり、全てをコントロールしようとする親。
のことを、このように表現するのだそうです。
「インターベンション=介入」が要所要所で足場を作り、それを自分で見つけ、失敗しながらも自分で登り方を考え進んで行く子供を見守るのに比べて、ヘリコプターペアレンツはスタートからゴールまでのレールを自分の理想通りに敷き、子供の興味も能力も無視し、有無を言わずに駆け上がらせる。
失速していく人生。ヘリコプターペアレンツは、子供にそんな未来を約束しているのです。
「インターベンション」は「足場」ですから、子どもが成長して、自分なりの夢や将来のビジョン(建物)が見えてきて、自分の力で登り始めたら(建物が建ち始めたら)、あとは少しずつ外れていきます。あくまで子どもの育ちの助けとなるものであり、足枷にはなりません。
ボーク重子さんの「介入」とは
では、ボーク重子さんが娘であるスカイさんの子育てで実践した「インターベンション(=介入)」とは具体的にどのようなことであったか、ということについてですが…。
「子どものパッションを応援する」
「家庭でスピーチ(プレゼン力)を鍛える」
「協働(コミュニケーション)力を養う」
私が注目したのは、この3点です。
パッションについては、ただただ応援するだけではなくて、習い事については、やめる時期をあらかじめ話し合っておく、などのルールがあったようです。
また、家庭でスピーチ(プレゼン)力を鍛えていたということについては、学校だけに任せない姿勢として、参考になるような気がしています。
そして、協働(コミュニケーション)力とは、正解のない問題に対して、あくまでコミュニティの一員として、人と協力して納得解を導く力です。
自分一人が良くてもダメ。全体が良くなるために自分を活かせる力。
こうしてみると、ボーク重子さんの「介入」とは、スカイさんを自分の思い通りに動かそうとするヘリコプターペアレンツ的なものとは違い、スカイさんが人生をより生きやすく歩んでいけるような力を養おうとしている「適切な導き」だと感じられます。
これらのことは、学力や偏差値だけにとどまらず、何かに突出して秀でたものを持つ学生を求めるアメリカの教育界を鑑みての方針だと思います。
日本もそのような方向に舵を切り始めてはいますが、まだまだ学力向上に重きを置く傾向が強い今の日本に住みながら、すべてを真似できるわけではありません。
とはいえ、受験システムのちょうど過渡期に受験する子どもを持つ親としては、やはり気になる分野ですね。
ちょっと長くなりそうな気配なので、続きは次回、ということにします。
さっきから、腹が減っただの、漢文の白文読みに付き合えだのと、うるさいのがいるのです(^_^;)。
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