ママンの書斎から

ミドフォーママンの考えごとなど

『絵になる子育てなんかない』

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2011年初版と、少し前の本になりますが、手元に置いて何度も読み返している本があります。

 

養老孟司先生と小島慶子さんの対談本『絵になる子育てなんかない』です。

 

 

 

 

子どもは自然、子育ては手入れ

 

養老孟子先生は、子どもは「自然」であり、親が思い描く通りに育つわけがないとおっしゃっています。

 

ただ、「自然」だから野放しにしておけばいいというものでもなく、適切な「手入れ」が必要なのだそうです。

 

日本人本来の自然に対する姿勢は、「自然との折り合い」なんです。

 

相手が「自然」であり、こちらの思い通りになるものではないことを認めつつも、人間の暮らしと折り合いがつくように「手入れ」を続ける。当然そこには、努力・辛抱・根性が伴う。

 

小島さんは、この「手入れ」について、ご長男に口酸っぱく言い続けた注意を、八歳にしてようやくできるようになったことを例に挙げて、このようにおっしゃっています。

 

八年かかったけれど、二万回注意したけれど、でも突然できるようになった。

そうか、「手入れ」とはこれか。手を入れていけば、子どもはその子どもなりのタイミングで結果を出すんだとわかった瞬間でした。

 

八年で二万回(^_^;)。

それぞれの花開くタイミングを辛抱強く待ちながら、種をまき、水をやり続けるのが子育て、ということなのでしょうね。

だとすれば、しんどい時も、なにふりかまっていられない時も当然あるはずで、「絵になる」時ばかりではないというのも頷けます。

 

架空の「お母さん検定」表彰状

 

この「子育ては手入れ」ということについて、小島さんは『女たちの武装解除』という本の中でも言及されています。

 

女たちの武装解除 (VERY BOOKS)

女たちの武装解除 (VERY BOOKS)

 

 

「子どもは自然だ。思うようにはならない。ただ手入れをすればいい。野山を少しずつ田畑にするように」と言った人がいました。長男を産んですぐのころ、私はこの言葉にとても救われました。

(中略)

私も不安になりましたが、そんな時に「子育ては手入れ」を思い出して、すぐに結果が出なくても仕方がないか……と気が楽になったのを覚えています。

 

そして、私がグッと惹きつけられたのが、次のくだりです。

 

テレビや雑誌には、絵に描いたような素敵な子育てと、地獄のような虐待家庭が溢れています。絵になる、ということはとてもわかりやすいのです。でも実際にはたくさんのお母さんが、その間の、絵にならない日常の中で、善意と抑圧を懸命に生きて子育てをしています。

 

誰があなたに「絵になるお母さん」であることを強いるのか。誰に証明しようとして「母でも金メダル」を目指すのか。心の中に掲げたお母さん検定の表彰状は、家族にしか分かち合えない、地味だけどかけがえのない日常を覆い隠してしまいます。

赤太字は私ママンによるものです。)

 

いつのまにか(自分も含めて)母親たちは、誰かに「すごいね」「すてきね」と言ってもらえるような「絵になる自分と子ども」を目指し、ありもしない「お母さん検定」で表彰されることをファーストプライオリティにしてしまっているのかもしれません…。

本当に大事にすべきは、「絵にならない、地味だけどかけがえのない日常」のはずなのに…。

 

今ある自分以外の何者かになろうとし、比べなくてもいい人と比べ、誰かに承認してもらう必要なんて、ないんですよね。

 

手首を痛めてでも読みたかった言葉

 

『女たちの武装解除』は、某セレブママン雑誌の巻頭コラムを書籍化した本で、今はもう中古でしか扱いがないようなのですが、私はこの小島さんのコラムを読みたいがためだけに、あの重たい雑誌を、よく立ち読みしていました。

買いなさいよ( `ー´)ノ!

 

重たい雑誌をあまりに熱心に立ち読みしたため、雑誌の重さで手首を痛めたことがあるほどです( ̄▽ ̄)。

だから、買いなさいって( `ー´)ノ( `ー´)ノ!

 

でも、そのくらい、育児に孤軍奮闘する私の心をラクにしてくれる言葉たちだったのです。

 

子どもは「自然」子育ては「手入れ」、そして「絵になる子育てなんかない」

自然を相手にしているのですから、必ずしも洗練されている必要はないんですよね。

 

 

 

…今、まとめを書こうとしているのですが(夜です)、リビングでテスト勉強をしている息子が、

 

「明日の科目がいちばんのヤマなわけさ。ん~、例えて言うなら、エベレスト? で、3日めがマッキンリー、最終日がアコンカグア…( ̄▽ ̄)…。」

 

とかうるさくて、まとめられないわけです(^▽^;)。

我が家の子育て、いつもわちゃわちゃしていて、まったく絵になりません。

子ども達の教科書やらプリントやらが積みあげられて片付かないリビング、ソファでイビキをかいている夫、洗い物が終わっていないのにパソコンを開いてしまう私(^_^;)。

ステキでキラキラな家庭の風景には程遠いカオス感です"(-""-)"。

 

まぁでも、いっか~、「お母さん検定」受けるわけじゃないし!

なんて、この本たちのおかげで思えるようになりました(^▽^;)。

 

カオス上等ψ(`∇´)ψ!!!

 

 

私がそうだったように、この本たちの言葉に救われるお母さんがいたらいいな、と思い、ご紹介させていただきました(*^-^*)。

 

 

 

 

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