ついに昨日、待ち望んだ本が届きました。
↑ 月来子さんの水彩画が、優しい(*^-^*)。
ずっと応援してきた、「HSC」について周知をはかるクラウド・ファンディングが、ついに書籍という形になったのです。
この本には、これまでkokokakuさん(斎藤暁子さん)がブログなどで訴えてこられたHSCの概念の他に、実際に学校へ行かない選択をした場合に役立つ、より具体的な公的制度や民間の支援などの情報がたくさん盛り込まれていました。
HSCの概念については、私もこれまでの記事で何度もご紹介してきましたので、今日は、この本の特徴とも言える、具体的で現実的な情報について、ご紹介したいと思います。
オンラインコミュニティ
著者のkokokakuさんは、不登校について不安でいっぱいになった時、第三者に相談する(話す)ことを推奨されています。
不登校に理解のある相談先を見つけ、安心できることが一番です。
また、
価値観を共有できる仲間と考えを分かち合うことは、孤独感を解消し、進む道を信じるための大きな力になります。
ともおっしゃっています。
では、そんな場には、どのようなものがあるでしょうか。
この本に書かれているコミュニテイは、次のようなものです。
〈コミュニティ〉
・親の会
・オンラインコミュニティ
kokokakuさんが主催して構築された、
も、オンラインコミュニティの1つですね。
「学びの場」の多様性
不登校の子どもに学校以外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律「教育機会確保法」があります。
子どもの保護者には、子どもに教育を受けさせる義務があるわけですが(学校が辛い子どもが絶対に学校へ行かなければならない、という義務ではありません)、では、学校が辛い子どもには、どのような「学びの場」が用意されているでしょうか。
〈公共による支援〉
・教育支援センター適応指導教室
・夜間中学
〈民間による支援〉
・オルタナティブスクール(現在の義務教育や学校教育とは別の方針・
独自の理念をもって運営されているスクールの総称)
サドベリースクール、シュタイナー教育、モンテッソーリ教育、
イエナプラン教育、フレネ教育
・フリースクール
〈自宅学習〉
・インターネット
学習コンテンツ、オンライン家庭教師
・通信教材
・家庭教師
〈将来の見通し〉
・大学や短大などの受験資格を得るには
定時制高校、通信制高校、高等専修学校、特例校、高卒認定試験
・高校、大学等への進学を選ばない道
このような、いわゆる学校以外の学習活動を行った場合に、自立を助ける上で有効・適切と学校長が判断する場合には、指導要録上「出席」扱いとすることができるそうです。
やはり、学校へ行かない選択をするとしても、将来自分らしく生きるために、何らかの「学びの場」は必要ですよね。
学校へ行かない場合、勉強や進路への漠然とした不安を抱える人も多いと思います。
具体的に「どんな方法で学べて、どんな進路を選択できるのか」というこれらの情報は、先の見通しを持たせてくれると思いました。
親の仕事の多様性
分離不安が強いお子さんだと、親御さんがフルタイムで仕事に出かけるのは難しくなってくるとのことで、親の働き方についても、さまざまな例が挙げられています。
〈在宅ワーク〉
・フリーランス
・クラウドソーシング
・ネット事業
・ネット販売
〈雇用型の就労〉
・在宅勤務
・主婦特化型求人への応募
〈退職前にできる手続き〉
・介護休業の申請
〈退職後にできる手続き〉
・失業手当受給期間の延長
もっと詳しく知りたい方は、ぜひ書籍をご覧ください。
詳細にまとめられています。
学校へ行かない選択をした子どもに寄り添うと決めた時、自分の仕事をどうするか、収入の確保はどのようにして、などとという現実的な悩みも出てくることでしょう。
そんな時も、この本を開けば、具体的な道標になってくれるのではないかと思います。
追跡調査の結果
「無理に学校へ行かなくても明るい将来が開ける」と言われると、とても安心できますが、実際に不登校だった人がどんな未来を生きているのか、追跡調査などがされているのであれば、その結果を知りたいと思っていました。
そしたら、この本の中で、明橋大二先生によって紹介されていました。
~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349956.htm
この調査によると、中3の時点で完全な不登校だった生徒さんの5年後の進路状況は、少なくとも8割の生徒さんたちが、高校などの学校へ行ったり仕事に就いたりしているそうです。
学校へ行かなくても、昔より学びの機会は増えていて、将来は開かれているということがわかります。
選択肢が増えてきているんだな、と、勇気が湧いてくる結果ですね(*^-^*)。
HSC・HSPに向いている職業
HSC・HSPは内面の世界に意識が向いていて、鋭い感性と創造性に優れているため、クリエイティブ(創造的)な仕事に向いています。
(中略)
例えば、作家、画家、漫画家、イラストレーター、カメラマン、写真家、音楽家、デザイナー、インターネットを介した創作的活動や販売などです。特に、自営業やフリーランスなどとも相性が良いと言えるでしょう。
また、HSC・HSPは、人の気持ちに寄り添ったり、その場の空気を読み取ったりするなど、思い遣りや共感力・直観力に優れています。
繊細で細やかな気配りができるという長所を活かして接客などのサービス業や医療・介護職、心理カウンセラーなどの職種で能力が発揮されている人も多くいます。
敏感だからこそ向いている職業も、たくさんあるんですよね(*^-^*)。
次のステージへ
このように、とても多くの情報が盛り込まれている本ですので、手元に置いておいたら、きっと何度も読み返す機会があると思います。
この本を読んでみて、これまでの
「HSCという概念を多くの人に知ってもらいたい」
という段階から1歩進んで、
「HSCの子が幸せに生きていくには、どのような学びの場があるのか」
「学校以外の選択をしたら、どんな生活になり、どんな将来があるのか」
といった、具体的なステージに踏み込んでいると感じました。
どんな子も、自分の気質に合った「学びの場」を選択できる世の中に……。
少しずつ、でも着実に、その道が開かれつつあるようです(*^-^*)。
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