吉本ばななさんの、『「違うこと」をしないこと』を読みました。
結論から言うと、ものすごく腑に落ちました。
本来の自分を生きるには、違うことをしないことが大切。
じゃあ「違うことをしない」って、どういうことなんでしょうね。
「したいことをする」っていうのとすごく似てるけど、微妙に違うんですよ。言葉で説明するのがちょっと難しいのですが、ヘンに力が入ったり、ちょっとでも圧がある感じがあったら「あ、こういうことじゃないな」と思ってください。
もっとこう、流れみたいなものに乗っていく感じ。
イメージとしては、サーフィンに似てるかもしれない。
たとえば何かお誘いがあった時に「なんとなく気が進まないな」と思ったとするじゃないですか。でも「これは義理だから行っておこう」とか「いつか役に立つはず」って行ったりすると「違うこと」になっちゃう。
「なんかいやだ」じゃ理由にならないって思いがちですよね。だからつい、もっともらしい理由をつけて判断しようとするから、複雑になっちゃう。
大切なのは、自分にとってホントにダメだと思うことをしないでいること。
自分がどんなことを嫌だと感じるのか、そのことをわかっていなくてはならない。そして、その兆しをスルーしないことが大事ということですよね。
最近勉強しているHSC(HSP)を生きる上でも、「違うこと」をしないということは、とてもとても大事なことなのではないかと思います。
敏感な子どもで、例えば学校に行きたくないと言う子がいたとしたら、その子は、自分の心身の声をちゃんと聴ける子だということですよね。これは大事なことで、良いことだと思います。
自分の本音に蓋をして頑張り続けてあとで大きく影響が出るより、嫌なことを嫌だと表明できたほうが、最終的に良い結果に結びつくような気がします。
↑ の記事でも少し触れましたが、私にとっては、前職が「違うこと」だったのだろうと思います。そして、私は心身の声(本音)を聞こえないふりをして、合わない状況に適応しようしようと頑張ってしまいました。
一応、自分でも夢だと思っていた職業だったし、おそらく今回の人生で体験することが大事だったから一度はその道に進んだけれど、就職が決まってから初日を迎えるまでの数ヶ月もものすごく憂鬱で、初日を迎えてからも、日を重ねれば重ねるほど、「向いていない」という感覚が強くなっていきました。
だましだまし数年間頑張ったけれど、ついには体を壊すまでに至ったので、ついに、「この仕事は違う」と認めて、やっと辞めたわけですが、今でも、あの仕事は私にとって「違うこと」だったんだ、という感覚は変わっていません。
頑張った数年間のうちには、もちろん良いこともたくさんあったのですけどね。
本当に適応できさえしていれば、ずっと続けたと思います。
でも、その仕事を続けていく自分を想像できなくなっていたので、遅かれ早かれ、辞めるという結果は同じだったのでしょう。
でも、今でもその分野に感する興味・関心は途絶えることがないし、もし今また前職に復帰する機会があるとしたら(多分無いけど)、前よりはうまく対応できる気がするので、前職については「違うこと」というよりは「違う時期」だったのかもしれない、今後、前職とは違う何かしらの形で、その分野に携わっていくことはあるのかもしれない、と思ったりもします)
もちろん、「向いてない」とか「違うこと」だと感じていても、自分では選べない状況、という場合もあります。
例えば、子どもにとっての、「学校(義務教育)」がそうです。
現行の制度では、向き不向きに関わらず、義務教育は全員が「学校」で過ごさなければならない。
ばななさんご自身も、「学校」が苦痛で仕方なかったと述べていらっしゃいますが、学校が苦痛でしかない子は、きっと、たくさんたくさん、いるのだと思います。
でも、ほとんど選択肢がない。
その「選べない」という状況を、「選べる」というふうに変えていきたい、というのが、kokokakuさんやフレミーさんのHSCプロジェクトではないか、と思います。
「 それぞれの気質に合った居場所で、安心して学べる世の中になるように。そしてその気質を活かして生きられるように。」
うちの息子は今、文理選択に直面していますが、なんとなく理系ということまではわかっていても、じゃあ理系のどんな分野に進みたいか、ということはまだ漠然としています。
ただ、最近、授業でカエルの解剖の映像を観たら、
「ヒィィ〜:(;゙゚'ω゚'):」
となったそうなので、少なくとも外科医を志望するなんてことはありえないと言ってました(笑)。
一方、ドクター志望の同級生は、解剖の動画に興味津々だったらしいので、向き不向きとはそういうことなのだろうなと感じました。
娘は、寡黙だし、人と群れないタイプなので、天地がひっくり返ってもアイドルなどにはならないでしょう(笑)。
息子の例も娘の例も、あくまで例としての仮定の話であり、本当にドクターやアイドルを目指しているわけではありません(笑)。
自分に「向いていること」を考えるとき、「絶対に向いていないこと」つまり「違うこと」をわかっている、ということもとても重要で、ばななさんの本の上記の引用部分↑も、そういうことをおっしゃっているのではないかと思います。
自分らしく生きるために必要なこと。
それは、自分の本心を知ること。
あたりまえのことなのに、私も含めて現代人は、頭で考えたことを優先させ、体や心からのメッセージに無頓着な人が多いのかもしれませんね。
HSCのクラウドファンディング、もう少しで達成というところまで来ているようで、リターングッズの追加など、新しい動きが!
ばななさんの本も、HSCのクラウドファンディングも、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、今日の記事を書きました。
「違うこと」に、誰もが自分で気づけるようになるように。
「違うこと」を誰からも強制されることがない世の中に。
そして、「違うこと」をしないで、みんなが自分らしく生きられるようになりますように!