息子の高校を通して、ちょくちょく、いろんなリーダー研修会の案内が来ます。
うちの子たちは小学校、中学校と、比較的多くの役につかされてついてきました。「リー研」系の集まりにも、何回か出されて出席してきました。でも、うちの子どもたちは、小学校時代はみんなが遊んでいる放課後や週末に、中学校時代は部活などで忙しい週末や長期休みに、わざわざ研修センターに出向いたり、時には宿泊を伴ったりして研修をさせられることに、いつも「面倒くさい」とブーブー文句を言っていました(苦笑)。
が、こういう「リー研」系の催し物は、他校生との交流など、いい経験になるプログラムが組まれていると思うので、時間が許せば参加してみてもいいのでは、と思っています(その「時間が許せば」が難しいいんですけどね)。
いっそ、すでにリーダーになってしまっている子だけではなくて、学校の行事として、全校生徒に経験させたらいいんじゃないかと思います(私立校や中高一貫校などでは、そういう取り組みがすでにありそうですよね)。
そしたら、リーダーの子だけが時間を捻出して参加する負担もなくなるし、今リーダーではない子の中からも、リーダーをやってみたいと思う子がでてくることも期待できるのではないでしょうか。
しかし、「リー研」でなくとも、リーダーシップを考えるのに良さそうな本があります。
『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』
(松下幸之助 述 松下政経塾 編)
うちの息子が「リー研嫌いのリーダー」だった中学時代(笑)に、せめてこれを読んでほしいと思って買っておいたのですが、いまだに読んでくれないので、本棚からリビングへ、リビングからダイニングテーブルへ、そして最近は息子のリュックの上へと、私がジリジリと移動させて、なんとか読ませようと画策しています(笑)。
息子も頑なに読みませんけどね(-。-;
言わずと知れた松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さんの、松下政経塾での講話をまとめてある本です。
政治や経済の世界を目指す人たちに向けての内容ですが、小中高生のリーダーにも、また、私たち母親の役員仕事などにも通じるところがあると思います。
松下さんがおっしゃる、リーダーになった人の心の持ち方として、私が最も印象に残ったのは、
人についてきてもらおうというのはやめよう、自分の勉強をやったらいい、自分の勉強になればそれで結構やと思うようにした。人についてきてもらおうというようなことは僭越の沙汰であると。
という言葉です。
「僭越(せんえつ)の沙汰(さた)」
という言葉が気に入りました(笑)。
リーダーに必要なのは、まずは自分が学ばせてもらっているという謙虚な心、ということなのかな。
そして、
人情の機微こそが、人生の根底であり、いちばん大事なことである。
とも、おっしゃっています。
人の気持ちがわからない人には、組織を動かすことは出来ませんね。全体を見渡しながらも個々に配慮する。言うは易く行うは難し、ではありますが、少なくとも「リーダーである自分が言った通りに人が動いてくれて当然」などと勘違いしてはいけない、ということなのでしょう。
それから、
社長というのは、心配するために存在している。それが運命であり、宿命であり、さらには生きがいであると思えないようなら、やめたほうがいい。
という言葉にも、感じ入りました。
企業の社長でも、学校の部活の部長でも、あるいは保護者会の会長でも、とにかく何かのリーダーになった人には、常に心配事がつきまといます。
それに文句を言ってても始まらないということなのですね。そういう役回りなのですから。威張って踏ん反り返るのではなく、周りが知らないところで誰よりも考えて動いているのが、真のリーダーの姿ではないかと思います。
とはいえ、それが当たり前のことだと頭ではわかっていても、やっていくうちに
「誰もついてきてくれない。」
とか
「心が休まる暇がなくて辛い。」
なども感じてしまうことがありますよね。
リーダーって、消耗するし、孤独です。
「気楽な立場でいたいなぁ。」
と、思いますよね(苦笑)。
私も学生時代から現在に至るまで、結構役職にはつかされてきたついてきたほうですが、何度やっても役職というものは胃が痛いです。
毎回毎回、組織の大小にかかわらず、溜息をつき、愚痴をこぼしながら、周りの人に助けてもらって、なんとかやり終えるという感じです。
慣れることは……たぶん無いでしょう(−_−;)
人よりたくさん悩んで、心配して、人一倍動いて、周りを見て、みんなに気持ちよく動いてもらえるように個人の心情も尊重して、配慮する。
それがリーダーに求められる資質……。
(私には永遠に無理っぽいけど(-。-;
この本は、続編も出ているようです↓
リーダーには、いろんなタイプがあっていいのだと思いますが、どんなタイプのリーダーであっても、必ず何かしら背負うものがあります。
覚悟が無いと務まりませんよね。
TOKIOのリーダー、城島さんは、今回とても辛い決断を迫られましたね。
決断する立場というのは、辛いものです……。
嵐の大野君も、「俺についてこい」タイプのリーダーではないけれど、だからこそ培われるグループのまとまり方というものがあるのでしょうね。
知識ではなく知恵。
正解ではなく納得解。
いちばん大切なのは和。
子どもたちには、(生活に支障を来すほどにはやらなくていいけれど)何か役につく機会があったなら、その機会に少しでもこういうことを学んで大人になってほしいなと思います。
そして私も、どうせ何か役をやらなきゃならないのなら、人として磨かれてほしい、自分(笑)!と思います。
ただ疲れるだけで終わらず、何かを得て終わりたいです、どうせなら。
このごろ、ジャニーズのニュースなどから、リーダーの仕事というものを考えさせられているので、今日はちょっと固い、こんな記事になりました。