ママンの書斎から

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人と人との絆とは ~『おだまり、ローズ』と『ダウントン・アビー』~

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書店で釘付けになってしまった本、『おだまり、ローズ  子爵夫人付きメイドの回想』(ロジーナ・ハリソン  新井潤美 監修 新井雅代 訳)を読みました。

 

 

 

イギリスの階級社会

 

『おだまり、ローズ』の、「ローズ」とは、著者ロジーナのことです。

ローズは、レディー・アスターという女性に仕えた、「お付きメイド」でした。

 

イギリスの階級社会のことは詳しくないのですが、貴族のお屋敷に勤める「お屋敷奉公」 という仕事のなかで、奥様の身の回りのお世話をする「奥様付きメイド」というのは、使用人の世界においてはトップに昇りつめたことになるようです(旦那様付きの侍従も同じ)。

 

そして、貴族は「上の階の住人」、使用人は「下の階の住人」などと呼ばれ、明確に階級が分かれていたようです。

 

こういう時代の暮らしについては、『ダウントン・アビー』というドラマでも詳しく知ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

貴族と使用人の絆

 

『おだまり、ローズ』の場合

 

『おだまり、ローズ』と『ダウントン・アビー』からわかることは、貴族と使用人は、階級や暮らしかたこそきっぱりわかれているとはいえ、そこには階級を超えた絆があったということです。

 

『おだまり、ローズ』で言えば、アスター夫人は気性が激しく、お付きのメイドが何人も辞めてしまうような女性です。

しかし、アスター夫人は、ローズの、皮肉や手厳しい意見を述べるところを気に入り、信頼するようになります。

また、ローズも、はじめこそアスター夫人の気まぐれや意地悪に心を痛めましたが、適度にやり返しては、

 

「おだまり、ローズ。」

 

という言葉をくらう、という関係を築く中で、アスター夫人の良いところも見いだせるようになります。

結果、アスター夫人が亡くなるまで35年も共に過ごし、家族のような絆を育んだ2人なのでした。

 

『ダウントン・アビー』の場合

 

『ダウントン・アビー』では、たとえば、伯爵家の末娘、シビルと結婚したのは、運転手として仕えていたトムでした。

当然、シビルの父である伯爵は2人の結婚に大反対して、シビルとトムは駆け落ち同然で家を出るのですが、その後シビルは出産で命を落としてしまいます。

産まれた娘を育てるために伯爵家に家族として住むようになったトムですが、もとは使用人として仕えていた伯爵家の人々と、家族として共に食事をとり、かつて同僚であった使用人仲間にものを頼まなければならないという状況に、トムのみならず、みんなが困惑します。

 

ですが、シビルを失った喪失感を共に乗り越え、日々を重ねるうちに、トムと伯爵家の人々は、本当に家族のようになっていきます。

 

人間の「善」の部分

 

こういう話に触れると、人間の「善」の部分を見たようで、この世も捨てたもんじゃないのかもしれない、と思えます。

 

階級に甘んじて威張りすぎることなく、使用人に家族としての愛情を示すことができる貴族。

また、必要以上に卑屈にならず、必要に迫られれば主人に対しても臆せず意見を述べることができる使用人。

 

そして、両者は、互いの人となりの本質を見極めて絆を築くことができます

 

人間にはそんな力があるのだな、と思わせてくれます。

 

 

階級や身分制度は、どの国の歴史にもあって、それは、時代によっては仕方のない流れだったかもしれません。

でも、そんなものに左右されず、対等に向き合い、信頼を築くことができるという、人間の「善」の部分までは失われて来なかったということが、同じ人間として、誇らしく感じますね。

 

私たち現代人も、今、どんな立場で生きているにしろ、後世の人たちに、「善」の部分を見せられる生き方をしたいものですよね(*^-^*)。

 

 

 

 

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