ママンの書斎から

ミドフォーママンの考えごとなど

『受験生の心の休ませかた』(加藤諦三)

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今日は、お墓参りのあと、家族で久しぶりの書店へ行きました。

 

パラパラと立ち読みした中で、気になる言葉に出会い、思わず買ってきた1冊があります。

 

『受験生の心の休ませ方』(加藤諦三)

 

受験生の心の休ませ方 (YA心の友だちシリーズ)

受験生の心の休ませ方 (YA心の友だちシリーズ)

 

   

内容は、大学受験や進路で悩む高校生に向けてのものですが、

 

「不幸顔をした勝ち組にならないために」

 

というフレーズと、

 

「病の効能」

 

というフレーズ、この2つのフレーズが今の私の置かれた状況にクリーンヒットしまして……。

 

 

「不幸顔をした勝ち組にならないために」

 

 今、日本の企業の大問題のひとつは、うつ病患者の増加である。そのことで人事部は頭を悩ましている。学歴が高かったからうつ病にならずにすんだ、などという人がいるだろうか。

 

エリートコースを突き進むことは、心の病と背中合わせなのでしょうか。

 

過去記事で、今、息子が志望校選択でA高とB高で悩んでいると書きました。

 

www.mamannoshosai.com

  

A高では、いわゆる進学校のドロップアウトが発生しやすく、心を病んでしまう生徒も出るという話が聞こえてきます。もちろん、華々しい活躍をし、素晴らしい進学実績を誇ってはいることには変わり無く、ついていけるのなら文句なしのトップ高です。でも、うちの息子に合うかという点では、危うさがあると感じます。

体の病気でもこんなに心配しているのに、もしも性分に合わなくて、頑張っても頑張っても上に上がれなくて、笑わなくなってしまったら?

と思うと、楽しそうなB高のほうが最終的に伸びるんじゃないか、と思えてきます。

 

この葛藤は、これまでもさんざん書いてきたのですがね。どうしてもA高に行った方が将来的に良いのではないか?という気持ちがあるんですよね。

頭ではA高、心ではB高にひかれているという感じなのです。

 

どんな高学歴も、健康な心身があってこそ活かされるものですよね。高校生のときにしかできない体験をして、社会性や人間性も育てながら、勉強も頑張れる環境か、つぶれてしまわずに伸びていける環境か……。それを考えると、たとえ2番手と言われても(それでもトップ校というくくりではあるようです)B高かな……(息子本人は、8割がたB高に気持ちが傾いています)。

 

いつもここに落ち着くんです。

なのに、何度も考えてしまうんです。

私はいったい、何を悩んでいるのでしょう(笑)。

 

 

 

「病の効能」

 

著者の加藤諦三さんは、ご自身が高校生のころ、手術が必要なほどの蓄膿症に苦しんだそうです。

折しも、うちの息子も受験生でありながら手術したばかり。

加藤さんが、ご自身の体験から、病に対してどのような考えをお持ちなのか、興味深く読ませていただきました。

 

人は誰でも病気になる。生まれてから死ぬまで病気をしないという人は例外である。そして病気になるのは必ずしもその時には幸せなことではない。

しかし、病気になることで見えてくるものがある。

 

失敗したときと同じように病気になったときも、人生の土台をつくるときである。

「生きていくのに大切なものは何か?」

を学ぶときである。

そのための病気である。

 

 

病気は長い人生を考えればプラス。

どうしても先に進む人が立派に見えてしまう。止まっていることがマイナスに思える。しかし、止まることは大事なこと。

社会的に止まることと、心が止まることは別のことである。

社会的に止まっていても、心は成長している。

 

 

早く治ろうとするから、人生が浅くなる。

腰を落ち着けて病気に立ち向かえば、深い生き方になる。

今きちんとしておくと、先が続く。

 

 

病気でも進路の悩みでも、今の悩みは今の悩みとして、きちんと向き合っておくこと。悩み抜いておくこと。そうしないと、あとで必ずまたその悩みが出てくる。形を変えて出てきても、もとを辿ると、根本は向き合うことをないがしろにしてきた昔の悩みだということがよくある、と、繰り返し語られていました。

 

 

ということは、私の中でずっと消えない、

「息子にとっていいのはA高かB高か」

という悩みも、気が済むまで悩み抜いた方がいいということなのでしょうか(笑)。

 

高校に通うのは息子なので、息子の思うように決めたらいいと思いつつ、

息子が「A」と言えば、「いや、Bのほうが合うんじゃないか?」と思うし、息子が「B」と言えば、「将来のことを考えたらAに行った方がいいんじゃないか?」と思ってしまう……自分でも、このしつこい葛藤に戸惑っているんですよね(苦笑)。

 

やはり、親には親の思いというか希望というものがあり、子どもの意思を尊重したいと思いつつも、ただ見守るというのは難しいですね。

 

なんだか病気で悩んでいたのか進路で悩んでいたのかわからなくなりました(笑)。

 

でも、著者によると、受験生が受験勉強をするエネルギーがわかないのは、自分の本心に蓋をしているからなのだそうです。

希望でも悩みでも、本心を言えたならエネルギーは湧いてくる、ということ。

 

そうすると、やはり、私の思いは、もう伝えるだけは伝えてあるので、あとは、息子が本心を言える環境にすることが大事かなと思います。

知らず知らずのうちに、子どもを自分の希望する方向に誘導していないか。

気を付けないと、「受験生の心を疲れさせる親」になってしまいそうです(汗)。

 

ママンはやっぱり、子どもを休ませてあげる場所ですもんね。

気づくと叱咤激励ばかりしがちな私です。

子どもには「幸せ顔をした大人」になってほしいので、子どもの本心を見極めて尊重できるよう、修行したいと思います。

 

 

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