ママンの書斎から

アラフォーママンの考えごとや読書記録

正論もほどほどに

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うちの子が小さい頃のことです。

近所の子どもたちと遊んでいたら、近所に住むお婆さんから、

「飴ちゃん、食べる?」

と、キャンディーをいただきました。

 

子どもたちはみんな、笑顔で手を伸ばし、母親たちも、

「あらー、すみませんー。」

「ありがとうございますー。」

などと言い、子どもたちにお礼を言うように促したりしていました。

しかしその時、1人のお母さんだけが、

「うちは甘いものはあげていないので!」

と、ピシャリと拒絶しました。

みんな絶句し、お婆さんは悲しそうな顔をしてキャンディーを引っ込め、そのお母さんの子どもは泣きそうな顔をしていました。

お母さんだけが、涼しい顔……。

 

子どもに甘いものを食べさせないのは、虫歯のリスクからも、小児肥満のリスクからも、子どもを守ることにつながりますから、間違ってはいません。むしろ、立派な心がけと言えるのかもしれません。

 

でも、自分のお母さんが、その場を凍りつかせ、キャンディーを差し出したお婆さんの厚意も、いただいた他の親子も否定したような空気にしてしまったことを、そのお母さんの子どもは、どう受け止めたでしょうか。

 

実際には食べさせなくてもいいから、その場では

「ありがとうございます。」

と笑顔で受けとることも出来たのではないかなと思います。

「おうちに帰ってから大事に食べようね。」

と持ち帰り、食べたら歯磨きを徹底する、などの対応でも良かったんじゃないかなと思うのです。

 

私も、

「祖父母たちが勝手にご飯前に市販のお菓子を大量に与えてしまう。」

とか、

「まだ食べさせていないようなものを母親の私に相談なく勝手に食べさせる。」

などのことにイライラした経験があるので、気持ちはわかります。でも、自分が正しいと思うことをただふりかざすだけだと、周りを傷つけてしまうこともあるのではないかな、とも思います。

 

伝え方をもう少し、やんわりにするだけでよかったのだと思います。

 

先程のキャンディーのお婆さんの場合は、いったんはありがたくいただき、あまり続くようなら、

「実は虫歯にしないために、甘いものは控えようと思っているんです。」

とか、

「保健指導で甘いものを食べさせないように言われていて……」

などと伝えることもできます。

 

実際には、そのお母さんのお子さんは、甘いものを一切禁止されているストレスも関係しているのか、お友だちをいじめたりして、素行が悪いと評判でした。

 

他にも歯医者さんに勤める親御さんの家庭で、やはり歯のために甘いものを禁止していたのようなのですが、そこの子ども達は、お友だちの家に遊びに行くと、その家中の甘いものを食べ尽くす勢いでガツガツとむさぼり食べていたのです。

「おやつのおかわりを要求される」

「甘いものを催促される」

と、遊びに来られた側のお母さんが困っているという話も聞きました。

 

あまり親からの制限が厳しいと、子どもは外で発散してくることになるんだなと思いました。

 

そういうことを知らず、自分だけが

「いい子育てをしている」

「正しい子育てをしている」

ような気になって正論をふりかざしても、そのやり方によって子どもが外で迷惑をかけているのでは、

「いい子育て」

とは言えませんよね。

母親のものの言い方、周囲への対応のしかたって、自分で思うより子どもに観察されているものです。そして恐ろしいことに、子どもはそれをそのまま身に付けていく……。

 

たまには市販のお菓子も食べて、友だちとその話題に興じたり、ご近所のお婆さんと良好な関係を維持したりする。そういう経験も、子どもの人生を豊かにしてくれるのではないかなと思います。

あまり高尚に育てると、俗世間で生きていかれない子どもになりますから(苦笑)。

 

「正論でピシャリ!」

というやり方は、時に相手を追いつめることになります。

 

 本当に賢い人というのは、人にものを教えようとしたり、相手をやりこめたりしないものなんじゃないかなと思います。意見の異なる人とも、上手に共存しているはずです。

 

子育ての方針はそれぞれあっていいと思いますが、少しは遊びの部分を持たせて、臨機応変に、「ほどほどに」「上手に」やっていくママンでいたほうが、子どもも安定するのではないかと思います。そして、正論を言うときほど、言い方は努めてやんわりを心がけるべきではないかな、などと考えた午後なのでした。